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ひと夏の恋……そして……
第23章 友情と愛情と絆

「とりあえずホテルに行こうか」
「えっ?本当にホテルあるの?」
手を繋いで歩きだした夏樹は、当然のようにホテルに行こうという。
あれは、私を和泉とあわせるための言葉だと思っていたけど違うようだった。
「当然だろう?とっておきのホテルだ……と言っても金平さんが用意してくれたんだけどな」
と言って、今日の経緯を教えてくれた。
和泉が金平さんの事を兄と呼んだ日から色々と調べて佐伯さんが和泉だと突き止めたという。
その事を金平さんに問い詰め、5年前の事、今の事を話しているうちに和泉が入院している事を知り、本土に渡ると嘘を付いて和泉に会いに行っていたらしい。
和泉は頑なに私に会わないと言い、それでも夏樹の性格からして何も言わずに私と一緒になることを悩み、金平さんに相談して私と和泉を合わせることにした。
そして、私が和泉より夏樹が良いと決めたのなら、5年前のお詫びとして今から行くホテルを用意してくれたという。

