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第23章 友情と愛情と絆

ずっと、いろいろな事を我慢して生きてきたのかもしれない。
私と一緒に居たいのに、島を守る為に連れ戻された和泉。
島を守る為に、自分の素性を隠し島に足を踏みいれた和泉。
そして自分の子供なのに、私と夏樹のために自分の子供ではないと言いはった和泉。
そんな和泉を受け入れないわけがない。
和泉は夏樹の事をお人よしだと言った。
だけど、私には和泉も相当のお人よしだと思う。
自分の事を犠牲にしてまで大切なものを守る。
それは夏樹と同じで、このふたりに愛された私は世界一の幸せ者だ。

「じゃあな。和泉、またな」

「うん。退院したら島に顔を出すよ」

「絶対に来てよね。真和と待ってるからね」

「ありがとう。真和くんによろしく」

島での再会を約束して、病室を後にした。
廊下では涙ぐんだ金平さんが立っていて、私たちに深々と頭を下げてくれて、私たちも頭を下げて島に戻った――