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ひと夏の恋……そして……
第23章 友情と愛情と絆

「真和が小言を言いたくなる気持ちも分からなくもないよ。僕だって未だに真緒を店に立たせる夏樹の気が知れないもん。真緒に何かあったらどうするつもりだよ」
カウンターに座っている和泉はクスクスと笑いながら、私の手を引いて椅子に座らせてくれた。
「そんな事言ったってさ……」
和泉の言葉にブツブツと反論しても、その内容は私たちの耳には届かない。
届かないけど、何を言いたいのかは理解している。
「私が夏樹の傍にいたいの。無理はしていないから安心してよ」
「真緒がそう言うんだったいいんだ――」
「ダメに決まってるでしょ。千春兄ちゃんも父さんを甘やかさないで!!――父さんも父さんだよ、母さんの事が好きで傍にいてほしいのは分かるけど何かあったらどうするの?こんなにお腹が大きくなってるのに働かせないで」
最後にはカウンターをバンと叩いて、客の視線を集める事になった。
だけど、真和は気にもしない風で私たちを睨みつけていた。

