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ひと夏の恋……そして……
第23章 友情と愛情と絆

「そんなの決まってるよ。父親だから言いたいことが言えるんでしょう。何を言っても許してくれると思ってね。僕は……たまにくる兄さん?他人だからよそいきの顔を向けるんだよ。そのくらい夏樹だって分かってるんでしょ?」
夏樹の不満に和泉は当然の事のようにサラリと答えた。
その言葉が少し寂しく感じるけど、何も知らない真和に取ってその線引きは正しいと思う。
「和泉は真和の憧れでもあるからね。このリゾート開発を成功させたのは和泉だし、それをずっと見てきた真和にとって英雄だもんね」
私たちとの約束通り、身体が良くなった和泉はリゾート開発の担当に戻って金平さんと力を合わせて素敵なリゾート地を作り上げてくれた。
それは、私たちが望んだ島民に寄り添ったリゾート地。
誰一人反対することなく出来上がったリゾート地だった。
「それは夏樹と真緒に感謝してるよ。あの時の言葉で決心ができたんだからね。だからこんな風に3人で過ごせるなんて思いもしなかった。それに真和の成長も見続けられるしね」
そう言って真和を見つめる和泉の顔は、父親の顔そのものだった。

