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ひと夏の恋……そして……
第3章 自由になる為に
叔母さんが迎えに来る日は朝からパパの機嫌が悪かったけど、約束は約束だと言うことで叔母さんと家を出た。

「真理恵……真緒の事よろしくね。」

「ええ、真緒のことは任せておいて」

家を出る時にママは叔母さんに頭を下げていた。
成績があがるだけでこうも扱いが違うのかと笑っちゃうけど、この夏はママやパパの顔色を窺わずに好きなことができるかと思うとウキウキしていた。

「体に気を付けて……何かあったら電話するよの」

「分かった。じゃ、行ってきます」

早く家を出たくて、まだまだ何かを言いたそうなママに行ってきますの挨拶をしてママと別れた。
少し歩けば見覚えのある車が止まっていて、夏樹さんが降りて来た。

「おめでとう。良く頑張ったな」

そう言って頭を撫でられると、嬉しくて微笑んだ。

「やっぱり真緒ちゃんは笑ってた方がかわいいな」

その言葉にキュンとして頬を赤らめたのは秘密事で、これが恋心だとは気がつかなかった。



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