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ひと夏の恋……そして……
第4章 未来への第一歩
「っ夏……樹っ」
「分かってる……ここが一番いいんだろう?イケよ。」
夏樹にしがみついてイキ急ぐ。
足の指に力を入れて絶頂に導かれる――はずだった……
私が絶頂を迎える数秒前にスマホのメロディが鳴り出して、イキそこなってしまった。
鳴っているスマホを見て夏樹は怪訝そうな顔をしていた。
「真和……それっ、きっと真和」
真和の名前を告げると、夏樹はホッとした表情を見せてスマホを渡してくれた。
「もしもし」
『ママ???ママ!!!』
電話の向こうで泣きじゃくりながら私を呼ぶ真和の声。
「真和ごめんね。すぐに帰るからね」
『ママ!!ママ!!』
泣きじゃくる真和を宥めてスマホを切った。
「夏樹ごめん」
「いや……真和の存在を忘れてた俺のミスだ。一番に真和の事を考えなきゃいけないのに何やってんだろうな俺は。とりあえず早く戻ってやろう」