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ひと夏の恋……そして……
第4章 未来への第一歩
「真和がちゃんと寝てるか様子を見にきたんだ。そしたらママが散歩してたんだ。真和はママがいなくてもひとりで寝られるんだな。えらいえらい!」
私と違って夏樹は上手にごまかしてくれた。
「僕の様子を見に来てくれたの?」
「そうだ。真和がひとりでも寝れるようになったってママから聞いたから確かめに来たんだ。」
「でも、僕……泣いちゃった」
夏樹の言葉にシュンとする真和は、私の手をギュッと握って悔しそうにしていた。
「起きてママいなかったら心細いよな……よし!!今日はなつ兄ちゃんとママと3人で寝るか」
そう夏樹が言った瞬間、真和は今までで一番目を輝かせていた。
それから真和を間に挟んで寝る事になった。
まさか川の字に寝る事になるとは思わず、それでも家族の様に寝る事が出来て、未来を見ているようでうれしかった。
トントンと真和の身体を叩いている手に夏樹の手が重なり、ふたりで一緒に真和を寝かしつける。
暫くすると真和は規則正しい寝息をたてはじめ、安心したかのように深い眠りに落ちていった。
私の掌から手を離した夏樹は、その手で真和の頬に触れる。
頬を撫でながら目を細めて見つめる姿は、どうみても父親のようだった。