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ひと夏の恋……そして……
第4章 未来への第一歩
「こんな風に三人で寝るのもいいもんだな」
「うん……家族みたいでいいね」
私もそう思ったから素直に言葉にすると、夏樹は嬉しそうに微笑んでくれた。
「真緒がそれを望むなら……」
今まで真和の頬を撫でていた手が伸びて私の頬に触れた。
そして……
「俺は真和と3人で家族になりたい」
それはプロポーズの様に私の心の中に落ちてきた。
だけど、つきあうことに頷いた時と違って素直に喜ぶわけにはいかない。
どんなに真和が夏樹に懐いていても、どんなに夏樹が真和を可愛がってくれていても、親になるということは簡単な事じゃない。
「夏樹……」
「んっ?」
未だに私の頬を撫でる事を止めない夏樹はにこやかだった。
こんな時に水を差すような事を言いたくはないけど、はっきりとさせなければいけないと言葉にする。
「真和の……父親になる覚悟はあるの?」
私の言葉に嫌な思いをさせるかもしれないと思っていたけど、夏樹は笑顔を絶やさなかった。
「父親になる覚悟、それはあるよ。真和が生まれた時からそう願ってた。だからそれは今更の質問だ。真緒」
私の問いにいともあっさりと答え、それが当たり前だというように迷いはなかった。