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ひと夏の恋……そして……
第4章 未来への第一歩
「夏樹……」
「真緒の心配も分からないわけじゃない。いきなり俺が父親になって大丈夫なのかって気にしてるんだろう?」
その言葉に頷くと、夏樹は身体を起こして座りなおした。
それに合わせるように私も身体を起こして夏樹と迎えあわせに座った。
だけど私と夏樹の間には真和がいる。
これが今の私と夏樹の距離のような気がしてならない。
「もちろん真和が嫌だというのなら諦めるしかないと思ってる。だけど、俺が父親でもいいというのなら俺は真和の父親になりたい。そして真緒の旦那として傍にいたい。何度も言うけど、ずっと好きだったんだ。俺は真緒を愛してる、そして真和も自分の子供の様に大切に思ってる」
躊躇もなくはっきりと言葉にする夏樹に、うれしさが込み上げてくる。
ここまで言ってくれるなら大丈夫だと、家族になる決心をする。
「夏樹……」
「んっ?」
「これからも……ずっと夏樹と一緒にいたい、真和と3人で」
そう言葉にすると、夏樹は顔をクシャクシャにして喜んでくれた。
そして真和を間に挟んで触れるだけのキスをした。
それはともて暖かくて、幸せな未来を予感させた――