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ひと夏の恋……そして……
第4章 未来への第一歩
「なつ兄ちゃんもママに抱っこされたいの?」
無邪気な真和の質問に、益々ドキドキが加速する。
顔を真っ赤にする私と違って夏樹は、フッと笑った。
そして次の瞬間には、真和がいるのに後ろから抱きしめてきた。
「なつ兄ちゃんはな。抱っこされるより抱っこする方が好きなんだ。」
「わぁ~~!なつ兄ちゃんすご~い。ママと僕、一緒に抱っこしちゃった」
大きな腕で抱きしめてくれる夏樹に、私と違って真和は大はしゃぎしていつも以上に興奮する。
「さて、真和はそろそろ寝なきゃな。ママはお風呂どうぞ」
私の膝の上にいる真和を抱き上げた夏樹は、それが当たり前のように本棚から絵本を出して読み聞かせを始めた。
布団の上に寝転ぶ2人をみれば、どこからどうみても本当の親子の様に見え、私は安心してお風呂に入ることが出来た。
夏樹のおかげでゆっくりとお風呂に入ることができ、忙しかった一日の疲れを取ることが出来る。
真和とふたりの時はこんな風にゆっくりとお風呂に入ることなんてできない。
毎日が戦争で、真和が寝れば私もそのまま眠りにつく日々が多かった。
だから、こんなにもゆったりとひとりの時間を楽しめるのも真和を生んで以来だった。