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駆け上がれ、大人の階段!
第2章 その一言に導かれて
呆れたままペロリとサンドイッチを平らげていく彼女は、人生の先輩だと言わんばかりの確信を持った声で言った。
「いい? 春菜。男はね、女の違って溜まっていくの。特に彼女なんて出来たら、『いつセックスできるのかな?』って考えてるやつばっかなんだから。でもそれはね、べつにあんたの身体が目的とかそういう意味じゃなくて、それが男にとっての愛情表現の一つなの。だから逆を言えば半年もセックスをしてないとなると……」
そこまで話して、彼女は言葉を濁した。同時に私は、恐怖で両耳を塞ぎたくなった。
そんなこと、思いもよらなかった。
てっきりみんな、結婚を前提にしたお付き合いをしたり、じっくりじっくり時間をかけて、そういう行為をするものだと思っていた。
でも、恋愛マスターの夏華が言う話しならもしかして、もしかすると……
ゴクリと唾を飲み込み、恐怖で箸を止めたままの春菜に、今まで深刻そうな表情を浮かべていた夏華がぷっと吹き出した。
「春菜ったらどれだけ不安そうな表情してんのよ」
ケラケラと笑いながら、紙パックのジュースに右手を伸ばす相手に、春菜が恐る恐る口を開く。
「だ、だって夏華がそんなこと言うから……」
続きの言葉が浮かばす、思わず春菜は黙り込む。今付き合っている人は、私にとって人生初めての彼氏。
高校二年生に上がったばかりの頃に始めたバイト先で出会った人なのだ。二つ上の大学生の人で、バイトを始めて右も左も分からない自分に、色々と優しく教えてくれた。
そのうち徐々に好きになっていく自分の心に気づき、シフトが同じだった日の帰り道、私は清水の舞台から飛び降りる覚悟で告白したのだ。
好きです。と、ただその四文字を。
「いい? 春菜。男はね、女の違って溜まっていくの。特に彼女なんて出来たら、『いつセックスできるのかな?』って考えてるやつばっかなんだから。でもそれはね、べつにあんたの身体が目的とかそういう意味じゃなくて、それが男にとっての愛情表現の一つなの。だから逆を言えば半年もセックスをしてないとなると……」
そこまで話して、彼女は言葉を濁した。同時に私は、恐怖で両耳を塞ぎたくなった。
そんなこと、思いもよらなかった。
てっきりみんな、結婚を前提にしたお付き合いをしたり、じっくりじっくり時間をかけて、そういう行為をするものだと思っていた。
でも、恋愛マスターの夏華が言う話しならもしかして、もしかすると……
ゴクリと唾を飲み込み、恐怖で箸を止めたままの春菜に、今まで深刻そうな表情を浮かべていた夏華がぷっと吹き出した。
「春菜ったらどれだけ不安そうな表情してんのよ」
ケラケラと笑いながら、紙パックのジュースに右手を伸ばす相手に、春菜が恐る恐る口を開く。
「だ、だって夏華がそんなこと言うから……」
続きの言葉が浮かばす、思わず春菜は黙り込む。今付き合っている人は、私にとって人生初めての彼氏。
高校二年生に上がったばかりの頃に始めたバイト先で出会った人なのだ。二つ上の大学生の人で、バイトを始めて右も左も分からない自分に、色々と優しく教えてくれた。
そのうち徐々に好きになっていく自分の心に気づき、シフトが同じだった日の帰り道、私は清水の舞台から飛び降りる覚悟で告白したのだ。
好きです。と、ただその四文字を。