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サディスティック・マリッジ
第6章 社内イジメ
愛里咲が走り去るのを確認して、琉も塚本に背を向ける。

「……随分と…仲がいいんだな?」

振り返れば、塚本は壁に寄りかさり腕を組んで琉を睨んでいた。

「お互い唯一の同期ですから」

琉は愛想笑いを返す。

「ふんっ、新入社員が生意気だな。俺の一言でお前は簡単にクビなんだぞ」

塚本は勝ち誇ったような顔で、自分より背の高い琉を見上げた。

「……クビ?」

「そうだ。クビにされたくなければ邪魔するな」

歩き出そうとする塚本の進路を塞ぐように、琉は塚本の目の前に腕を下ろし壁に手をついた。

「俺、昔っから自分のオモチャを誰かに触られんのも嫌いな質なんです」

ニッと琉の口端が意地悪く上がる。

「飲み会の後の事、千葉さんから全部聞きましたよ? 日々のセクハラの証拠写真も……ほら?」

琉は自分の携帯の画像を塚本に見せる。

泣き顔の愛里咲の胸に後ろから触れる塚本。
愛里咲だけではなく、他の女子社員にセクハラする様子も写し出されていた。

「傷だらけの愛里咲を抱くのも興奮したけど、やっぱムカつくんですよね、レイプされた事が。だからこれ、上層部に見せちゃおうかなぁって」

「─────…くっ……」

奥歯を噛み締める塚本に、琉はニッコリと笑いかける。

「次、愛里咲に触ったら……覚えといて下さいね」

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