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サディスティック・マリッジ
第6章 社内イジメ
作成した資料に、伝票を貼り付けようと糊を探す。

(あれ?糊が見当たらない)
机の上に確かに置いていたのに、机の上にはない。

愛里咲は、机の引き出しを開けて探すが、やっぱり見当たらない。


「すみません…糊を貸して戴けますか?」

近くの席の荒木に声を掛けてみるが聞こえていないようだ。……というか明らかに無視されているのだが……。

物を隠されるなんて毎日の日課のようなものだ。
私物が隠されないだけまだマシだ。


ため息と同時に隣の席の先輩女子社員の根岸が、無言で愛里咲にこっそりと糊を渡してくれる。
ぺこりと頭を下げ、愛里咲は糊を受け取った。


「あの……資料作成終わったので、確認お願いできますか?」

愛里咲が津川たちに資料を提出しても、受け取ってくれない事も毎回だ。

というか愛里咲の声は、津川、伊藤、荒木、神谷には聞こえないらしい。

メモを付けて机に置いても、せっかく作った資料を捨てられる事もあるので、気が抜けない。


お局津川の琉への執着は相変わらずで、琉が愛里咲に構う程に津川からのイジメが酷くなっていた。

それに加え他の男性社員までが愛里咲を助けるものだから、愛里咲へのイジメはひどくなっていった。




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