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第6章 社内イジメ

ボーっと考えを巡らす琉。
伊藤、神谷、荒木にとっては好都合だ。

「琉…くんっ……きゃあ、名前で呼んじゃった！」

荒木は琉の右手を握り締め、ご機嫌で叫んだ。

「私なんて……ほら？」

神谷が琉の左手に指を絡め、恋人繋ぎを荒木に見せつける。
荒木もまた慌てて同じように琉の右手に指を絡める。


「琉くんの肌キレイ……毛穴がない……」

背伸びした伊藤は、うっとりと琉の頬に両手を当てていた。


「あー、いたいた！ 琉っ‼︎ 」

琉の先輩の佐藤の声に、琉がハッと我に返る。

伊藤、神谷、荒木も慌てて琉から離れた。


「琉、これから結構大きな商談があるんだ。同席よろしく！」

佐藤はチラリと伊藤たち3人を制するような視線を送った後、琉の肩をバシバシと叩きながら歩き出した。