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サディスティック・マリッジ
第7章 嫉妬狂い
津川たちのせいで残業となった愛里咲。

(まだ8時! 今日は早く帰れた)
ようやく仕事を終えて外に出れば午後8時を過ぎたところだった。

理不尽な残業でも、上手くこなせた日はなんだか嬉しくなる。
いつもより早い帰宅に、愛里咲の心は弾んだ。


「愛里咲ッ」

会社を出てすぐ、愛里咲は誰かに呼び止められる。

「里中さん?」

里中は嬉しそうに手を上げ、愛里咲の元へと駆け寄ってきた。


「食事でもどうかなって、ずっと待ってたんだ」

ずっと待ってたなんて言われると断り辛い。

(食事くらい…別にいいかな…)

不意に浮かんだ琉の顔。フルフルと頭を振った愛里咲は里中に頷くと、近くに停めてあった里中の車に言われるがままに乗り込んだ。


「あいつ……‼︎ 」

いつものように、残業中の愛里咲の様子を見にきた琉は、里中の車に乗り込む愛里咲を目撃していた。

(何考えてんだ⁈ )

思わず、車を追いかけるように琉も走り出していた。

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