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第11章 入籍宣言

「とりあえず、おめでとう」

町田の声に続き、男性社員からも祝福の声が上がる。

満面の笑みのまま、皆にお礼を言う琉。

愛里咲は俯いたまま小さな声でお礼を言うと、恐る恐る顔を上げる。

ヒシヒシと感じる突き刺さるような視線……
伊藤・神谷・荒木の三人が、愛里咲を睨みつけていた。

(……あぁ、やっぱり)
ブルッと身震いした後、愛里咲はまた俯いた。


「夏川、千葉、それはまず直属の上司である俺に報告して欲しかったな」

町田が苦笑する。

「すみません」

懐っこい笑顔で琉に笑いかけられると、怒れなくなるから不思議だ。

「で、いつ入籍したんだ？」

町田からの質問に、愛里咲はまた心臓が跳ねる。

「えーと…1ヶ月くらい前です」

あっけらかんと答える琉。

案の定、またまた2人揃って上層部に呼び出しをくらった。