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サディスティック・マリッジ
第12章 副社長からの結婚祝い
「彼と…結婚……したの?」
里中は、愛里咲の左手薬指を捉えたまま、反対の手で愛里咲の胸元の名札に触れた。
名札はまだ”千葉”と書かれたままだ。
里中は、複雑な表情で愛里咲の名札を眺めていた。
「……辛い思いは…もうしてない?」
「あ……」
愛里咲は里中と食事に行った日を思い出す。
心が辛くて誰かに縋りたくて、里中の前で泣いた事を思い出す。
そして、里中に優しく抱き締められた事も……。
「あの時はありがとうございました! 今は…もう大丈夫です」
契約の結婚。
それでも…
オモチャでもいいから琉の傍にいたいと思う。
真っ直ぐに里中を見れず、愛里咲は俯いた。
それが、里中に誤解をさせた事も気付かずに、愛里咲は頭を下げて資料室へと急いだ。
里中は、愛里咲の左手薬指を捉えたまま、反対の手で愛里咲の胸元の名札に触れた。
名札はまだ”千葉”と書かれたままだ。
里中は、複雑な表情で愛里咲の名札を眺めていた。
「……辛い思いは…もうしてない?」
「あ……」
愛里咲は里中と食事に行った日を思い出す。
心が辛くて誰かに縋りたくて、里中の前で泣いた事を思い出す。
そして、里中に優しく抱き締められた事も……。
「あの時はありがとうございました! 今は…もう大丈夫です」
契約の結婚。
それでも…
オモチャでもいいから琉の傍にいたいと思う。
真っ直ぐに里中を見れず、愛里咲は俯いた。
それが、里中に誤解をさせた事も気付かずに、愛里咲は頭を下げて資料室へと急いだ。