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サディスティック・マリッジ
第17章 最終章・結婚式
しかし、すぐに里中は琉から愛里咲に視線を移した。
「一緒に食事をした日、愛里咲は辛いと泣いていたよね?」
「あ───…それは……」
最悪の出来事から程なかったあの頃は何もかも全てが辛くて、誰かの優しさに縋りたかった。
そんな自分の甘さが今の状況を生んだのだと、愛里咲は俯き唇を噛み締めた。
「俺は愛里咲が幸せなら身を引く。でも、彼は愛里咲を幸せにしてくれるの?」
「─────…っ」
里中の言葉に、更に俯く愛里咲。
その腕を引き琉が歩き出す。
「愛里咲! 俺は愛里咲を愛してる! 彼は? 愛里咲を愛してるの?」
グイッと後ろから里中に腕を引かれる。
里中の真っ直ぐな瞳に、愛里咲の足は止まり胸が騒いだ。
立ち止まったまま前を睨み何も言わない琉を不安げに見た後、愛里咲は里中を振り返る。
「私は…琉ちゃんが好きだから……」
愛里咲は里中の手を振りほどき、里中の目を見据えた。
「琉ちゃんの隣で幸せになりたい……愛してもらえるように…なりたい……」
涙声の愛里咲。
愛里咲の腕を掴む琉の手に、少しだけ力が込められた。
「心配してくれてありがとうございます。お気持ちは嬉しいです。でもごめんなさい。応える事は出来ません……」
愛里咲の言葉に立ち尽くす里中。
琉はまた愛里咲の手を引き歩き出した。
「一緒に食事をした日、愛里咲は辛いと泣いていたよね?」
「あ───…それは……」
最悪の出来事から程なかったあの頃は何もかも全てが辛くて、誰かの優しさに縋りたかった。
そんな自分の甘さが今の状況を生んだのだと、愛里咲は俯き唇を噛み締めた。
「俺は愛里咲が幸せなら身を引く。でも、彼は愛里咲を幸せにしてくれるの?」
「─────…っ」
里中の言葉に、更に俯く愛里咲。
その腕を引き琉が歩き出す。
「愛里咲! 俺は愛里咲を愛してる! 彼は? 愛里咲を愛してるの?」
グイッと後ろから里中に腕を引かれる。
里中の真っ直ぐな瞳に、愛里咲の足は止まり胸が騒いだ。
立ち止まったまま前を睨み何も言わない琉を不安げに見た後、愛里咲は里中を振り返る。
「私は…琉ちゃんが好きだから……」
愛里咲は里中の手を振りほどき、里中の目を見据えた。
「琉ちゃんの隣で幸せになりたい……愛してもらえるように…なりたい……」
涙声の愛里咲。
愛里咲の腕を掴む琉の手に、少しだけ力が込められた。
「心配してくれてありがとうございます。お気持ちは嬉しいです。でもごめんなさい。応える事は出来ません……」
愛里咲の言葉に立ち尽くす里中。
琉はまた愛里咲の手を引き歩き出した。