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サディスティック・マリッジ
第3章 彼氏の前で
「彼氏とは別れんだろ? ちょうどいいチャンスじゃん」

こういう時の琉の強引さは、嫌と言うほど知っている。
止めても無駄だと、愛里咲は琉に腕を引かれたままトボトボ歩き出した。


央汰と女は、案の定央汰のアパートにやって来た。

愛里咲と琉は、少し離れた場所にある電柱の陰から2人を見ている。


愛里咲が央汰のアパートに来るのは、"不感症"と罵られて以来だからかなり久しぶりだ。

央汰と女が身体を寄せ合いながら、央汰の部屋に入るのを見届けた。

でも、その先の現場を見る勇気はない。


(どうしよ…修羅場とか勘弁だなぁ)

グダグダ悩む愛里咲に、

「行かねぇのかよ?」

苛立つ琉。

「う…またの機会に……」

アパートに背中を向け、歩き出そうとする愛里咲。
その腕を掴み、琉は央汰の部屋へと歩き出す。


(やっぱりこうなる……)

諦めて愛里咲も従った。




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