この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
サディスティック・マリッジ
第4章 卑猥な噂
「……まあまあだな」
後ろから聞こえた琉の声に、愛里咲は振り返る。
(あ…お弁当……)
津川とのランチは断ったのだろう。
まあまあだなんて言いながら、琉の箸は止まらない。
「まあまあ? 一応高校時代から自炊してるんだけど……」
苦笑しつつも、頬張るようにお弁当を食べてくれる琉に、愛里咲の心に温かいものが広がっていく。
「あー、お前んち親いないんだったな」
「うん……」
愛里咲の親は、愛里咲が高校に入ってすぐに事故で亡くなっていた。
高校時代に付き合ってる時に、琉にもその事を話した気がする。
誰の為に作るでもなく、誰かに食べてもらうでもなかった自分の料理。
こうして目の前で食べ進めてもらうのは、なんだかひどく擽ったい気持ちになった。
「……食わないと残業までもたねぇじゃん?」
琉が言う。
「最近は残業してないよ」
誰も認めてくれないが、愛里咲も定時内で仕事をこなせるようになってきていた。
押し付けられる仕事ですらどうにかこなし、最近では残業などしていなかった。
後ろから聞こえた琉の声に、愛里咲は振り返る。
(あ…お弁当……)
津川とのランチは断ったのだろう。
まあまあだなんて言いながら、琉の箸は止まらない。
「まあまあ? 一応高校時代から自炊してるんだけど……」
苦笑しつつも、頬張るようにお弁当を食べてくれる琉に、愛里咲の心に温かいものが広がっていく。
「あー、お前んち親いないんだったな」
「うん……」
愛里咲の親は、愛里咲が高校に入ってすぐに事故で亡くなっていた。
高校時代に付き合ってる時に、琉にもその事を話した気がする。
誰の為に作るでもなく、誰かに食べてもらうでもなかった自分の料理。
こうして目の前で食べ進めてもらうのは、なんだかひどく擽ったい気持ちになった。
「……食わないと残業までもたねぇじゃん?」
琉が言う。
「最近は残業してないよ」
誰も認めてくれないが、愛里咲も定時内で仕事をこなせるようになってきていた。
押し付けられる仕事ですらどうにかこなし、最近では残業などしていなかった。