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サディスティック・マリッジ
第5章 度を超えたセクハラ
「いやぁっ‼︎」

愛里咲が悲鳴を上げるのとほぼ同時に、

ぐいっ
琉が塚本の身体を起こし、琉の先輩の佐藤が白取の手から愛里咲を解放した。


「部長、やり過ぎです」

不機嫌な琉の声。瞳の奥に怒りが見え隠れする。

「…チッ……冗談が過ぎたな、すまんすまん」

小さく舌打ちした塚本は、慌てて嘘臭い笑顔を向ける。


「大丈夫?」

佐藤が愛里咲におしぼりを渡してくれる。

「部長、酔うとスケベ丸出しになるから」

近くにいた少し年上の男性社員が冗談ぼく言う。

(この前は酔ってなかったと思うけど……)

会議室でのセクハラは、塚本も白取もシラフだったはずだ。


「あーあ、興醒め」

お局津川が大きな声を上げた。

「たかだか酒の席でのセクハラまがいに、本気で怒るなよ」

津川の言葉に、伊藤、神谷、荒木の取り巻きトリオが同調する。


そして、

「帰れッ」

伊藤が叫ぶと、津川と他2人も笑いながら

「帰れー!帰れッ」

と、愛里咲に帰れコールを送り始めた。


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