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爪先からムスク、指先からフィトンチッド
第17章 3 羅袖 香を動すも 香已まず
テーブルに影ができ、見上げると環が立っていた。身体のラインが見えにくいメンズライクな白いシャツと黒のワイドパンツ姿は環のスタイルの良さを隠すどころか引き立てている。
「ここ、いいかしら?」
4人掛けのテーブルの薫樹の隣に環は一瞥をくれる。
「どうぞ」
薫樹が答えると環はスッと腰かけ、長い足を組むと、テーブルからミュールを履いた爪先がはみ出て見えた。
「こんにちは」
涼介が挨拶すると環も「どうも」と返す。
「どうしてここに?」
「会社の人からたぶんここだって。あなた全然連絡を寄こさないから」
淡々と会話を交わす薫樹と環を交互に涼介は眺めた後、店内の様子をチェックし、店員の接客態度や客の年齢層性別など素早く判断する。
カップルは少なくほぼ女性グループで占められている。
一通り眺め、視線をふと環の足元に置く。
涼介は心臓に矢が刺さったような衝撃を感じた。
「な、なんて小さい……」
「ここ、いいかしら?」
4人掛けのテーブルの薫樹の隣に環は一瞥をくれる。
「どうぞ」
薫樹が答えると環はスッと腰かけ、長い足を組むと、テーブルからミュールを履いた爪先がはみ出て見えた。
「こんにちは」
涼介が挨拶すると環も「どうも」と返す。
「どうしてここに?」
「会社の人からたぶんここだって。あなた全然連絡を寄こさないから」
淡々と会話を交わす薫樹と環を交互に涼介は眺めた後、店内の様子をチェックし、店員の接客態度や客の年齢層性別など素早く判断する。
カップルは少なくほぼ女性グループで占められている。
一通り眺め、視線をふと環の足元に置く。
涼介は心臓に矢が刺さったような衝撃を感じた。
「な、なんて小さい……」