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爪先からムスク、指先からフィトンチッド
第21章 涼介のミントガーデン
――幼い頃に家族を亡くし、親戚に引き取り手もなかった環は18歳まで児童養護施設で過ごすが、16歳の時にはすでに身長が175センチを超えており、非常に目立っていて、すでにモデルのスカウトがあった。 特にモデルになりたいと思ったわけではないのだが、施設の仲間や職員がそれをぜひ生かすべきだと勧めた。運動神経も学力も平凡な環にはその道しか当時選択の余地がなかった。
しばらくモデル活動を行い、自分の力で生きてはいたが、日本での活動には限界があった。
日本で人気を得ようと思うには環の身長は高すぎて、しかも顔立ちが素っ気なさすぎるのだ。モデルとしてのスタイルや資質は申し分ないが、日本独特の可愛らしいアイドル性が足りない。そこで奮起してパリに単身で挑んだのだ。
「確かに君はあんまり日本人受けはしそうにないな」
「残念ながらね」
良く笑うようになった環は懐かしそうに当時を振り返った。
「しかし、そんなに小さな足でよくそこまで背が伸びたね」
「ああ、それはよく言われるけど、普通だったらもっと大きかったかも」
しばらくモデル活動を行い、自分の力で生きてはいたが、日本での活動には限界があった。
日本で人気を得ようと思うには環の身長は高すぎて、しかも顔立ちが素っ気なさすぎるのだ。モデルとしてのスタイルや資質は申し分ないが、日本独特の可愛らしいアイドル性が足りない。そこで奮起してパリに単身で挑んだのだ。
「確かに君はあんまり日本人受けはしそうにないな」
「残念ながらね」
良く笑うようになった環は懐かしそうに当時を振り返った。
「しかし、そんなに小さな足でよくそこまで背が伸びたね」
「ああ、それはよく言われるけど、普通だったらもっと大きかったかも」