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爪先からムスク、指先からフィトンチッド
第5章 5 試作
「ねえ。柏木さん、近くにできたオープンカフェでランチしない?」
「えっ、オープンカフェ? えっと、行きます」
「お弁当は?」
「今日は寝坊しちゃって……」
「そうなんだー。なんかそこさあ、ナチュラルフードってやつ? 興味あるんだけど彼氏とかあんまり行きたがらないんだよねえ」
「ああ、男の人はそういうの好きじゃないですよね」
「うんっ、ほんと。玄米とかさあ、黒くてやだとか言っちゃって。炊き込みご飯は食べるくせにさ」
就職して6年目にして、初めて職場の人間とランチに出かける。弁当を持っていないというのは嘘だ。自分から誘えばよいだけの話だろうが、こういう経験がない芳香には誘うといった行動がとれず、受け身でいるしかなかった。
ランチはとても楽しく興奮した。
「また来ようね」と立花真菜に言われた時は、嬉しくて舞い上がってしまった。そして薫樹に感謝した。
「えっ、オープンカフェ? えっと、行きます」
「お弁当は?」
「今日は寝坊しちゃって……」
「そうなんだー。なんかそこさあ、ナチュラルフードってやつ? 興味あるんだけど彼氏とかあんまり行きたがらないんだよねえ」
「ああ、男の人はそういうの好きじゃないですよね」
「うんっ、ほんと。玄米とかさあ、黒くてやだとか言っちゃって。炊き込みご飯は食べるくせにさ」
就職して6年目にして、初めて職場の人間とランチに出かける。弁当を持っていないというのは嘘だ。自分から誘えばよいだけの話だろうが、こういう経験がない芳香には誘うといった行動がとれず、受け身でいるしかなかった。
ランチはとても楽しく興奮した。
「また来ようね」と立花真菜に言われた時は、嬉しくて舞い上がってしまった。そして薫樹に感謝した。