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爪先からムスク、指先からフィトンチッド
第11章 3 真菜の秘密
「じっとしててね」
真菜は手を添えて自分の中へ和也の一部を導いていく。
「あ、うぅ」
「んんんっ、和也っておっきっい」
「ああ――真菜……。なんか、いけないことしてる、気がする……」
お互いに愛情を確かめ合ったのではない。幼い頃のお仕置きごっこの続きをしているような錯覚なのだろうか。成人に達しているのに、大人にばれたらまずい秘め事のような言い様だ。
「あ、ん。き、きもち、よくない、の?」
ゆるく腰を回転させ真菜は尋ねる。
「うっ、そりゃ、きもち、いいけどっ、あっ、そんな動かないでっ」
たまに乳首をつねると真菜の中の和也がビクンと跳ねる。
「きもち、いいけど、自分が動くばっかりだと、疲れる、わ、ね」
「お、俺も、動いていい?」
「ん、動いて」
「上になってもいい? このまま、動くの、ちょっと難しくて」
「しょうがないわね。いい、わよ」
和也は軽々と真菜を抱いたままくるりと上下入れ替わり、腰を前後に使い始めた。
上から自分を見下ろすような表情は和也には一切ない。哀願するような顔つきを見せる。
「ごめん、もう、イキそう」
「あ、ん、まだ、だ、めっ」
苦悶する和也の尻を強くつねると、真菜の中で硬度を増し膨張する。
「くあっ、ううぅぅっ」
「はっ、あぁあん、あ、んっ」
「あ、はっ、はっ、ごめっ、出ちゃった……」
「つねられてイクなんて……」
和也が達するときに実は真菜も絶頂感を得ていたが、そのことは黙っておくことにした。
「真菜……。すごく……良かった」
「ん。私も、こんなに良かったの初めて」
口づけを求めてくる和也の髪を撫でながら真菜は不思議と愛情が沸いてくる気がしていた。
「あのさ、こうなったら付き合わない?」
真面目な和也は神妙な口調で言う。
真菜は少し考えて「そうだね。いいかもね」と言いながら次を続ける。
「今度さあ、縛ってもいい?」
「ええっ!? ――い、いいよ」
和也は恥じらいと嬉しさを混同させた表情で承知した。