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独り暮らし女性連続失踪事件
第3章 捜索
≪奇妙な記事≫
週刊スクープ編集長の田村(たむら)が関東地方北部の地方紙を机に投げてよこした。
「おい、佐々木(ささき)。これ読んだか?」
「なんか面白い記事でも載ってるんですか?」
社会部記者の佐々木はそれを手にした。
当地で初の合成麻薬による死亡事故
昨夜、あけぼの飲食街の路地裏で意識不明の女性が発見された。
女性は市内の病院に運ばれたが、間もなく死亡した。
死因は合成麻薬使用によるショック死とみられる。
身元を確認出来るものが無く、事件の可能性も考えられるため、
警察では確認を急いでいる。
なお、着衣の乱れはないが、下腹部等に多数の裂傷が見られ、
暴行されたような形跡があるが、残された体液は人間のもの
ではなく、獣のような毛が付着していた。
・・・・・・
「読みましたよ。おかしな記事だと思ったんですよ。しかし、何ですか、これ?『体液は人間のものではない』、『獣のような毛』って、まさか、あれじゃないですよね?」
「その“まさか”、獣姦だよ」
「だから、大手は書かない、いや、書けないってことですか」
「そういうことだな。合成麻薬に獣姦、普通じゃねえな」
「それなら、これもおかしな事件ですけど」
今度は佐々木が全国紙の地域版に小さく掲載されていた記事を田村に差し出した。
県立高校教師、先月から行方不明か?
県立山川高校教師の飯田絵美さんが先月から連絡が取れなくなっている。
先月初めに勤務先の高校宛に退職願が送付されてきたが、それ以降、電話も
メールも通じなくなっているとのこと。
退職願は本人の筆跡に間違いないが、必要な退職手続きが未済なことから、
学校側から連絡をしたが繋がらなく、行き先をさがしていつという。
退職前にペットの犬の件でトラブルがあった模様で、それに関係するものか、
関係者は心配している……
週刊スクープ編集長の田村(たむら)が関東地方北部の地方紙を机に投げてよこした。
「おい、佐々木(ささき)。これ読んだか?」
「なんか面白い記事でも載ってるんですか?」
社会部記者の佐々木はそれを手にした。
当地で初の合成麻薬による死亡事故
昨夜、あけぼの飲食街の路地裏で意識不明の女性が発見された。
女性は市内の病院に運ばれたが、間もなく死亡した。
死因は合成麻薬使用によるショック死とみられる。
身元を確認出来るものが無く、事件の可能性も考えられるため、
警察では確認を急いでいる。
なお、着衣の乱れはないが、下腹部等に多数の裂傷が見られ、
暴行されたような形跡があるが、残された体液は人間のもの
ではなく、獣のような毛が付着していた。
・・・・・・
「読みましたよ。おかしな記事だと思ったんですよ。しかし、何ですか、これ?『体液は人間のものではない』、『獣のような毛』って、まさか、あれじゃないですよね?」
「その“まさか”、獣姦だよ」
「だから、大手は書かない、いや、書けないってことですか」
「そういうことだな。合成麻薬に獣姦、普通じゃねえな」
「それなら、これもおかしな事件ですけど」
今度は佐々木が全国紙の地域版に小さく掲載されていた記事を田村に差し出した。
県立高校教師、先月から行方不明か?
県立山川高校教師の飯田絵美さんが先月から連絡が取れなくなっている。
先月初めに勤務先の高校宛に退職願が送付されてきたが、それ以降、電話も
メールも通じなくなっているとのこと。
退職願は本人の筆跡に間違いないが、必要な退職手続きが未済なことから、
学校側から連絡をしたが繋がらなく、行き先をさがしていつという。
退職前にペットの犬の件でトラブルがあった模様で、それに関係するものか、
関係者は心配している……