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独り暮らし女性連続失踪事件
第4章 救出への動き

「亡くなった女性も全く化粧っ気がなかったと言ったよな」
「はい、そうですが?」
「犬の相手をするには化粧が邪魔ってこともあるよな」
「想像すると、気持ち悪いですね」
「まったくな。佐々木、ところで、その〝あるところ〟ってどこだ?情報源として確かなのか?」
「言わなきゃダメですかね?」
「おい、お前、編集長に内緒は無しだぜ」

すると、佐々木は「言わなきゃダメか…」とニヤニヤしながら、「ソープランドですよ。男は女の前で裸になるとなんでも喋っちゃうって言うのが、数少ない経験から学んだことですが、そういうところで、いろいろネタが見つかりますね」と〝白状〟した。
「何が〝数少ない経験〟ですか、笑わせるな。まあ、それはいいや。早くその先を言え」
「へへへ、すみません。ブリーダーたちがよく通う店で、複数の女の子から聞いたので信憑性は高いと思います」
「複数の女の子ね。それに毎日ですか。だから取材費が嵩んだのか…まあ、いいか、俺も行きたいからな。ははは」

佐々木はタバコに火を付けると、ニヤニヤ顔から真剣な目つきに変わった。

「しかし、変なんですよ。現地の警察だけでなく、既にこっちからも刑事が来ているんですよ」
「本当か?」
「はい、山川署の組織犯罪担当の橋本刑事が来てました。県警本部で偶然見かけたんですよ。挨拶したのに、無視です。気がつかれてはまずいってことですね」

佐々木は取材ノートをめくりながら編集長の田村に報告した。

「編集長の方は何か分りましたか?」
「俺も気になってあちこちあたっていたんだが警察の反応が鈍い。何かを隠しているような感じがする」

田村は警察で探りを入れた飯田絵美の件を佐々木に伝えた。
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