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独り暮らし女性連続失踪事件
第5章 潜入取材
≪大関ドッグキャンプ≫
週刊スクープの佐々木記者は遊軍記者の友部が調べ上げた場所に来ていた。彼のメモによると、「加藤が週末に通う、大規模な牧場に隣接した施設」、「県内外のドッグブリーダーが足繁く出入りしている」とある。
佐々木は車の中から双眼鏡で中を探ったが、点在する小屋は見えるが、何をしているのかは分らない。やはり直接踏み込んでいかないと真相は掴めない。しかし、乗り込むにはトラックかバンのような車でないと、「何者だ?」と直ぐに目をつけられてしまう。佐々木は市内に戻ると、社用車を預け、その代わりに軽トラックを借りると、作業服に着替えて、再びその施設に向い、駐車場の隅に車を停めた。
只今、午前十時、これから大関ドッグキャンプに入る
レンタカーは白い軽トラック、ナンバーXXXX、
駐車場の隅に置いた
午後五時までに続報が無ければ、危険が迫っていること
その場合は助けを請う
佐々木はメールで簡単に状況を田村宛に発信すると、中に入っていった。
「おう!元気か?」、「いや、金がなくて困ってるよ」等、同業者のためか、行き交う人たちは親しく挨拶を交わしている。
コソコソしていては、返って怪しまれる。ここは堂々としていた方がいい。
「こんにちは」
佐々木はさっそく出会った男に声を掛けた。すると、「いい天気だね」と返ってきた。「よし、大丈夫だ」と思った彼は、自販機の前でタバコに火をつけると、施設内の様子をさりげなく観察した。
入口から三十メートル近く入ったところに事務所が入る管理棟と食堂、喫茶室、更衣室それに宿泊施設が付いた厚生棟が建ち、訓練施設や医療施設は敷地に点在し、短く刈り込まれた草地に柵で囲まれた広場では飼育員と思われる人たちが犬の世話をしていた。
(最初はあそこに行くか。彼らなら質問がしやすいからな……)
タバコを消した佐々木はそちらに向かって歩き出した。牧草の香り、そよ風が気持ちよく、とても怪しいことをしているとは思えない。
週刊スクープの佐々木記者は遊軍記者の友部が調べ上げた場所に来ていた。彼のメモによると、「加藤が週末に通う、大規模な牧場に隣接した施設」、「県内外のドッグブリーダーが足繁く出入りしている」とある。
佐々木は車の中から双眼鏡で中を探ったが、点在する小屋は見えるが、何をしているのかは分らない。やはり直接踏み込んでいかないと真相は掴めない。しかし、乗り込むにはトラックかバンのような車でないと、「何者だ?」と直ぐに目をつけられてしまう。佐々木は市内に戻ると、社用車を預け、その代わりに軽トラックを借りると、作業服に着替えて、再びその施設に向い、駐車場の隅に車を停めた。
只今、午前十時、これから大関ドッグキャンプに入る
レンタカーは白い軽トラック、ナンバーXXXX、
駐車場の隅に置いた
午後五時までに続報が無ければ、危険が迫っていること
その場合は助けを請う
佐々木はメールで簡単に状況を田村宛に発信すると、中に入っていった。
「おう!元気か?」、「いや、金がなくて困ってるよ」等、同業者のためか、行き交う人たちは親しく挨拶を交わしている。
コソコソしていては、返って怪しまれる。ここは堂々としていた方がいい。
「こんにちは」
佐々木はさっそく出会った男に声を掛けた。すると、「いい天気だね」と返ってきた。「よし、大丈夫だ」と思った彼は、自販機の前でタバコに火をつけると、施設内の様子をさりげなく観察した。
入口から三十メートル近く入ったところに事務所が入る管理棟と食堂、喫茶室、更衣室それに宿泊施設が付いた厚生棟が建ち、訓練施設や医療施設は敷地に点在し、短く刈り込まれた草地に柵で囲まれた広場では飼育員と思われる人たちが犬の世話をしていた。
(最初はあそこに行くか。彼らなら質問がしやすいからな……)
タバコを消した佐々木はそちらに向かって歩き出した。牧草の香り、そよ風が気持ちよく、とても怪しいことをしているとは思えない。