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独り暮らし女性連続失踪事件
第6章 奪還
パソコンからは田村が含みのある言い方で吉野を挑発し続ける様子が聞こえてくる。
<吉野さんよ、あんた、焼きが回ったな。素人を入れる時は気を付けないとな。
加藤さんが全部教えてくれたよ。女を捕まえて、犬と遊ばせてるんだって。
とんでもねえことをするよな。
それだけじゃねえな。最後には、言うことを聞かなくなった女を薬物中毒に
見せかけて始末したってね。
まあ、あちこちで破門されたあんたの最後のあがきか>
<田村、加藤が何を喋ったか知らねえが、それが事実だって証拠はどこにあるんだ?>
<加藤さんは馬鹿だよ。パソコンに写真を入れておくから、インターネットで盗んだ
のさ>
<そんなことできる訳ないだろう。勝手にパソコンから抜き出すなんて、
いくらお前でも>
<いや、俺には無理だが、ウチにはコンピュータのプロがいるからどこでも侵入
できる。ハッカーって知ってるだろう?そいつだよ。酷い写真だね。
こんなことしちゃいけないよ。これがエースと呼ばれた吉野さんのすることかね。
寂しいよ。あんたもお終いだな>
<田村、相変わらず、いい度胸しているな。分ったよ。そこまで言うなら、
お前にも体験してもらうか>
<ヒヒヒ、おい、あれをやるんだってよ…>
<お前ら、準備しろ>
「無理するな」
「いや、あいつのことだ、仕掛けがあるはずだ」
田村をよく知る副署長がみんなを落ち着かせる。