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午睡の館 ~禁断の箱庭~
第3章 おまけ

親友を濡れ衣で退学へと追い込まれ失った櫻子は、抜け殻の様だった。

櫻子を不憫に思って慰めてくれるクラスメートたちを、櫻子は自分から引き離すしかなかった。

(もう……誰にも心を許せない……誰にも相談できない……)

その思いは学園でも家庭でも櫻子に圧し掛かり、追い詰め、全てを失わせていく。



なんの為に生きているのだろう――と思う。

実の兄に愛玩人形のように抱かれ続け、全てを吸い取られ。

一生、こんな事を続けていくのだろうか。

一生、兄に恨まれながら生きていかなくてはならないのだろうか――。



兄は唯一の家族、だった。

ほとんど家に寄りつかない祖父は、顔を合わせても近況を尋ねて指示を寄越すだけの支配者。



父が亡くなってから、櫻子の世界は兄が全てだった。

完璧で素敵な兄の背中をいつも櫻子は追っていた。

兄に相応しい妹になれる様に、勉強や習い事も頑張った。 

そう、全て、あの日までは――。





今日も兄は櫻子の上で、辛そうに顔を歪ませている。

櫻子の身体はその小さな体で雅弥の全てを受け止め、ぎしぎしと悲鳴を上げていた。

「い、イく……!」

櫻子の白い双丘を長い指で鷲掴みにし、はちきれそうな雄を限界まで捻じ込む。

苦しそうな呻きと共に欲望を吐き出され、櫻子はのしかかってきた雅弥を背中に受け止めそのまま崩れ落ちた。

繋がったまま後ろ向きに抱きこまれていると、兄の中の後悔や苛立ちといったどろどろとした感情が背中から染み入ってくる。

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