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月曜日の秘めごと
第3章 パンケーキとレモネード
翌週の月曜日は、彼女に連絡しなかった。できなかった、と言った方が正しいかもしれない。
連絡先をスマホに登録したものの、なかなかかける勇気はなかった。
なにせ便箋に書かれていたのは、『湊』という名前と電話番号だけだ。文字でのやり取りもなくいきなり通話というのはハードルが高い。無料でメッセージのやり取りや通話もできるアプリもあって、彼女の電話番号から検索できないか試したが、それも見つけられなかった。結局その日はうだうだしてるうちに夕方になっていた。
そしてさらに翌週の月曜日。僕は勇気を出して、通話のマークを押した。
ワンコール、ツーコール、スリー、フォー、……なかなか彼女は出ない。一分にも満たない時間がやたらと長く感じた。
出ない。忙しいのだろうか。ホッとするような残念なような複雑な気持ちで通話を切ろうとした時だった。
「はい」
……出てしまった。
「あ……」
緩んでいた気が引き締まり、心臓が跳ねあがった。
「あ、あの、コンビニの人です、が……」