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アンケート御礼小話詰め合わせ(_ _)
第2章 お姉様と一緒(ビスカス・ローゼル)

*
「たっだいまでさーぁ」
ビスカスは、ご機嫌で帰宅しました。
今日は愛するローゼルと離れて、タンムの用事を仰せつかっておりました。用事が思いの外首尾よく済んで早々に帰って来られたビスカスは、夕食前に愛しの妻といちゃいちゃ出来る時間が有りそうだと、うきうき部屋に入りました。
「お帰りなさい、ビスカスっ」
「ただいま、リュリュ……?」
すると。
いつもなら飛び付いて来るローゼルが、中扉の向こうから顔だけ出してこそこそしております。
「リュリュ?具合でも悪ぃんですかい?」
「ううんっ……」
首を振って答えるローゼルの顔が、心なしか赤らんで見えています。
「ほんとに、でーじょぶですか?」
「大丈夫だから、早くいらっしゃいな」
「けど、お顔が……ががががががが?!」
すっと扉の向こうから手を差し出され手招きされて、ビスカスは変な音を立てました。
「なん……それっ……」
差し出された手は、薄い雲の様な物で覆われていました。
それは何故か何も着ていない時のローゼルのしなやかな腕よりも、数段淫靡に見えました。
「ね……早く、来て?」
「っ!」
扇状的な姿と言葉に、声も出せずまるで人形の様にこくこく機械的に頷いて、ビスカスは寝室に向か……い掛けてはっとして風の様に扉に駆け寄って鍵を掛け、中扉に滑り込んでまずはそこにもしっかと鍵を掛けました。
……そして、恐る恐る、振り向くと。
「……すっ……?!」
「……スグリお姉様に、頂いたの……結婚の、お祝いだって」
見ると、寝台の脇に、先程のふわふわに身を包み、ビスカスに半ば背を向けて立っているローゼルが居りました。
「お祝いってっ……こいつぁ……」
「……気に入らなかった?」
ローゼルはくるりと身を翻すと、寝台に腰を掛けました。
それを見たビスカスの喉は一瞬でからからになり、思わず唾を飲み込んで、やっと口を開くことが出来ました。
「気に入るもっ、入らねーもっ……どっこもかしこもっ、すっけすけじゃっ、ねーですかいっ……!?」
レースの化粧着は、後ろから見た時には綺麗な背中を覆うレースの薄雲が艶やかに波打つ髪と相まって、ローゼルの美しさが際立つ素晴らしい結婚祝いの贈り物に見えました……けれども。

