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アンケート御礼小話詰め合わせ(_ _)
第3章 近頃都で流行るもの(スグリ・サクナ)
「夫を誤魔化す奥方様にゃあ、他に誰も居ねぇ所でじっくり話を聞かなきゃなあ?」
「う!別にっ、誤魔化してなんか、っ!?」
自分を抱いたサクナが私室に足を踏み入れ扉にしっかり鍵を掛けているその間に、スグリの目にはとある物が飛び込んで参りました。
(しまったー!……うっかり片付けるの忘れちゃってたっ!!)
それは、昼間ローゼルに渡したのとリボンだけが色違いでお揃いの、都のレンブ姫に送って貰ったく「お化粧着」でした。
(ううう……どこかにこっそり隠しといて、取って置きの時に着ようと思ってたのにぃいい!)
何か特別な時に着たかった物が、今見つかっては困ります。幸い、箱からはみ出しては居りますが、中身は見えておりません。スグリのカヤネズミの様な頭は、高速回転致しました。
「ねっ、サクナっ?」
「ん?」
スグリはこてんと夫に身を預け、上目遣いで強請りました。
「ほんとに、眠たくなっちゃった……もう、一緒に寝ちゃいましょ?」
「……そうだな」
「ふふっ」
期限良さげな夫に甘く口づけられて、スグリはすっかり何を誤魔化したかったのかを忘れ去りました。
「……一緒に風呂入って、寝るか」
「ん……」
睡眠が取れるかどうかは全く以て分かりませんが、二人は入浴した後に、床入りする事になりました。
*
「ふわ~……のぼせそぉお……」
スグリは湯上がり部屋着を羽織って、ふらふらと寝台に倒れ込みました。
「……くふ……きもちい……」
お風呂であれこれ致して上がって髪を拭かれて、片付けてくから先に出とけと言われたスグリは、寝台の上掛けに顔を埋めながら、ふにゃふにゃ幸せそうに笑いました。
「はああー……あ。」
寝台にぐりぐり顔を擦り付けていたら、隅の棚の上に置いてある箱に目が留ま
「あああああ!!!!!!うっかり忘れてたぁあああ!!!!」
スグリは跳ね起きて、箱に走り寄りました。そしてそれを両手で持って、どこか隠せる所は無いかときょろきょろ辺りを見回
「……ん?」
「ふぎゃっ?!」
窮鼠が猫に見付かりました。
「そいつぁ、何だ?」
「ふぎゅううううううう!!」
箱を持ったままのカヤネズミは、にっこり笑う魔王に寝台脇まで追い詰められました。