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アンケート御礼小話詰め合わせ(_ _)
第3章 近頃都で流行るもの(スグリ・サクナ)

   *


「ううううう……」
「何唸ってんだ」
「ううう、だってっ……あ!!見ないでって言ったのにっ!!」

 スグリは背を向けて寝台に寝転がり、肘を付いてにやにやとこちらを眺めているサクナの方をじろりと睨みました。

「お前がちゃんと着替えられるか、見守って差し上げてんだろが」
「結構ですからっ、終わるまで、見ないでっ!!見たらもう着ないもんっ!!」
「畏まったから、とっとと着替えろ。俺ぁ親切にお待ち申し上げてんだぞ」
「……ううう……」

 スグリは溜め息を吐いて、レースの縁取りのある絹の部屋着をするりと肩から落としました。
 むうっとしながらお化粧着を摘まみ上げて身に着けようとしていたスグリは気付きませんでしたが、サクナは密かに笑いながら、こっそりそれを見ておりました。サクナは一糸纏わぬ姿になったスグリに一瞬はっと目を見開いて、匂い立つ様に豊かで見事な曲線に魅入られた様に見詰めていました。しばらくすると顔を赤らめて、静かにそこから目を逸らしました。

「うー……だって……隠しとこうと思ってたのにぃ」

 スグリはまず、肩紐の付いた下着を身に着けました。総レースで胸の真ん中に桃色の小さな光沢のあるリボンが止められて居て、そこから中央に少し重なりを持たせてひだを寄せたレースが、窓掛け布の様に左右に斜めに配されて居ます。

(……これは、お臍は、出ちゃうわね……お腹、冷えないのかしら?)

「隠しとくって、誰に見せんだよ」
「へ?」

 スグリはむーんと口を曲げてお腹冷える問題について悩んでいましたが、夫の不機嫌そうな言葉を聞いて、悩みはどこかに行ってしまいました。

「へ?誰に見せる?……だれ?」
「隠したところで、どうせ見んなぁ俺だろうがよ。いつ見ても同じだろ」
「そうだけど……ひっ」

 唇を尖らせてぼやいていたスグリは、次に摘み上げた物に怯みました。
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