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星逢いの灯台守
第4章 上海ローズ
「…ねえ…。聞いてもいい?」
ベッドの中、宮緒は由貴子を腕枕しながらやや遠慮勝ちに尋ねた。
「なあに?」
由貴子はミルクのように白い素肌にシーツを巻きつけたまま、幸せそうに宮緒の胸に貌を埋めている。
長く艶やかな美しい黒髪が頰にかかり、歳より遥かに幼く見える。
その光景に思わずうっとりと見惚れてしまう。
…可愛いな…。
八つも年上なんて思えない…。
見上げる由貴子の清らかな額にキスを落とす。
「…森先生とか言うドクターは…?」
一番気掛かりだったことだ。
由貴子にプロポーズしていたのだから…。
「あの…プロポーズ…」
あっさりと由貴子が答える。
「お断りしたわ。
…だってあの方、私より十二歳も歳下なのよ?
患者の母親と結婚だなんて…森先生の病院でのお立場もあるでしょうし…。
…それに…」
由貴子は肘をついて起き上がり、宮緒の頰に白い手を伸ばした。
シーツがしどけなく落ち、美しい形の乳房が露わになる。
どきどきと胸が高鳴るのを、宮緒は必死で抑える。
「…私は貴方に恋しているのだとすぐに気づいたの。
だからお断りしたわ。きっぱりと…」
「…由貴子さん…!」
由貴子の柔らかな花弁のような唇に口づけを繰り返す。
…こんなにひとりの女性に心が震えるほどに夢中になるなんて…
思っても見なかったことだ…。
近づけ合った貌のまま、由貴子が語り始めた。
「…森先生には本気なのかと聞かれたわ。
行きずりの恋なんて、私らしくない…て。
私はもっと慎み深く、慎重で、理性的なはずだ…て。
…だから、言ったの。
…とても私らしいわ…と。
私は…自分を壊して、変えてくれるひとを求めていたのかもしれない…と。
私の何もかもを壊して…一から作り変えてくれるひとを…」
由貴子の黒曜石のような瞳がきらきらと星の如く輝きながら、宮緒を見上げた。
ベッドの中、宮緒は由貴子を腕枕しながらやや遠慮勝ちに尋ねた。
「なあに?」
由貴子はミルクのように白い素肌にシーツを巻きつけたまま、幸せそうに宮緒の胸に貌を埋めている。
長く艶やかな美しい黒髪が頰にかかり、歳より遥かに幼く見える。
その光景に思わずうっとりと見惚れてしまう。
…可愛いな…。
八つも年上なんて思えない…。
見上げる由貴子の清らかな額にキスを落とす。
「…森先生とか言うドクターは…?」
一番気掛かりだったことだ。
由貴子にプロポーズしていたのだから…。
「あの…プロポーズ…」
あっさりと由貴子が答える。
「お断りしたわ。
…だってあの方、私より十二歳も歳下なのよ?
患者の母親と結婚だなんて…森先生の病院でのお立場もあるでしょうし…。
…それに…」
由貴子は肘をついて起き上がり、宮緒の頰に白い手を伸ばした。
シーツがしどけなく落ち、美しい形の乳房が露わになる。
どきどきと胸が高鳴るのを、宮緒は必死で抑える。
「…私は貴方に恋しているのだとすぐに気づいたの。
だからお断りしたわ。きっぱりと…」
「…由貴子さん…!」
由貴子の柔らかな花弁のような唇に口づけを繰り返す。
…こんなにひとりの女性に心が震えるほどに夢中になるなんて…
思っても見なかったことだ…。
近づけ合った貌のまま、由貴子が語り始めた。
「…森先生には本気なのかと聞かれたわ。
行きずりの恋なんて、私らしくない…て。
私はもっと慎み深く、慎重で、理性的なはずだ…て。
…だから、言ったの。
…とても私らしいわ…と。
私は…自分を壊して、変えてくれるひとを求めていたのかもしれない…と。
私の何もかもを壊して…一から作り変えてくれるひとを…」
由貴子の黒曜石のような瞳がきらきらと星の如く輝きながら、宮緒を見上げた。