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星逢いの灯台守
第4章 上海ローズ
夕方、仕事を終えた宮緒はホテル・ペニンシュラに向かった。

ホテル・ペニンシュラは言わずと知れた名門五つ星ホテルである。
…外灘の中心街…外白渡橋の南側にあり、北側には旧英国大使館の敷地が広がる一等地にある。
一際その美しい美観とアール・デコ様式の建物のデザインが目を惹きつける。
こちらのホテルに由貴子はチェックインしていて、一階の「ザ・ロビー」で待ち合わせをしていた。

躾が行き届いた極上の笑みを浮かべたウェイターに迎えられ、レストランに足を踏み入れる。

…さすがは世界に名だたる超名門ホテルだ。
レストラン内の空気感や品位が違う。
シャンパンゴールドに輝く煌びやかなシャンデリアの下に飾られているのは、その繊細な彫刻が見事な清朝時代の紫檀のテーブルであり、色鮮やかな芍薬を飾った花器だ。
自分のホテルも、益々のレベルアップを目指さなくては…と身が引き締まる思いに駆られる。

案内された見晴らしの良い窓際のテーブル席に、由貴子はいた。
宮緒は思わず脚を止めた。

…高貴な絹のアメジスト色のノースリーブのチャイナドレスはロング丈、それに合わせて黒のピンヒールを履いていた。
スリットから見える脚は、白く細く形良くすらりと伸びている。
艶やかな黒髪は美容院に行ったのか、緩く巻かれふわりとその肩に下りていた。
髪を下ろすと、由貴子は更に若々しく…どう見ても三十代前半にしか見えない。
白く小さな貌は端麗に整い、美しい三日月眉、細くアイラインを引いた瞳は切れ長に涼しげで、まるで精巧な人形のようだ。
白く透き通るような耳朶には、ティアドロップ型の翡翠のイヤリングが揺れていた。
…形の良い鼻筋、可憐な唇が真紅に彩られているのが匂い立つような色香を醸し出していた。

そんな由貴子に、周りの欧米人のビジネスマンや観光客らは眩しげにちらちらと眼差しを送っていた。

由貴子に茶の給仕をするウェイターですら、ぼうっと見惚れているのが手に取るように分かった。

宮緒はやや自慢のような…それでいてやきもきするような複雑な気持ちのまま、由貴子のテーブルへとゆっくりと近づいて行った。

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