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星逢いの灯台守
第4章 上海ローズ
気配を察した由貴子がゆっくりと貌を上げる。
白く美しい貌が、華やかに微笑んだ。
「…宮緒さん…」
「待たせてしまった?」
ウェイターに椅子を引かれながら尋ねる。
「いいえ。荷物の整理をして、お風呂に入って、美容院に行って…南路のお店でチャイナドレスを作ったらこの時間…。
丁度良かったわ」
「…とても綺麗だ…」
白い手を取り、愛おしげに口づける。
…あえかな白檀の薫りが、胸をときめかせる。
由貴子がくすぐったそうにその美しい瞳を細めた。
「そのドレスがそう?」
華やかな金糸の縫取りのある襟元辺りに触れ、由貴子は首を振る。
「ううん。これは既製品。
…今日オーダーしたのは刺繍もお願いしたから、一週間後にできるそうよ。
もっと自分の体型に合ったぴったりなドレスになるんですって。
楽しみだわ」
「…一週間…てことは…もっと居てくれるの?上海に?」
どきどきしながら尋ねると、由貴子は和かに微笑みながら、秘密を打ち明ける少女のように口を開いた。
「…実はね、私、上海で正式に中国茶についてお勉強しようと思ってこちらに来たの」
「え?中国茶?」
突然の思いがけない由貴子の発言に、宮緒は眼鏡の奥の瞳を見張る。
白く美しい貌が、華やかに微笑んだ。
「…宮緒さん…」
「待たせてしまった?」
ウェイターに椅子を引かれながら尋ねる。
「いいえ。荷物の整理をして、お風呂に入って、美容院に行って…南路のお店でチャイナドレスを作ったらこの時間…。
丁度良かったわ」
「…とても綺麗だ…」
白い手を取り、愛おしげに口づける。
…あえかな白檀の薫りが、胸をときめかせる。
由貴子がくすぐったそうにその美しい瞳を細めた。
「そのドレスがそう?」
華やかな金糸の縫取りのある襟元辺りに触れ、由貴子は首を振る。
「ううん。これは既製品。
…今日オーダーしたのは刺繍もお願いしたから、一週間後にできるそうよ。
もっと自分の体型に合ったぴったりなドレスになるんですって。
楽しみだわ」
「…一週間…てことは…もっと居てくれるの?上海に?」
どきどきしながら尋ねると、由貴子は和かに微笑みながら、秘密を打ち明ける少女のように口を開いた。
「…実はね、私、上海で正式に中国茶についてお勉強しようと思ってこちらに来たの」
「え?中国茶?」
突然の思いがけない由貴子の発言に、宮緒は眼鏡の奥の瞳を見張る。