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星逢いの灯台守
第4章 上海ローズ
「宮緒さん…!」
由貴子が驚きのあまりその美しい瞳を見開く。
宮緒は真摯に、一言一言由貴子の心に届くように語りかける。
「僕と結婚して欲しい。
僕は君の亡くなったご主人のように名声があるわけでも資産があるわけでもない。
けれど、君を愛する気持ちは誰にも負けない。
君のお嬢さんも大切にしたい。
君の仕事も立場も尊重したい。
…だから…」
「…だめよ…」
由貴子は宮緒の手を離し、貌を背けた。
「なぜ⁈」
小さな…寂しげな声が夕凪の風に乗り、聞こえてきた。
「…私、貴方より八つも年上なのよ」
「それが何?そんなこと、何とも思わないよ」
「…私…貴方の子どもを産むことはできないのよ…」
…もう…四十四歳だもの…。
由貴子の貌が哀しげな色を帯びた。
「子どもなんて欲しくないよ。
君がいてくれたらそれでいい」
「…今はそう思っても、何年かしたらやっぱり自分の子どもが欲しいと思うかもしれないわ」
「そんなことはない!子どもはいらない!」
由貴子が振り返り、宮緒を見上げた。
瞬きもせずに、真っ直ぐな瞳が宮緒を射る。
そうして、きっぱりとした言葉で言い放つ。
「先のことは分からないわ。
ひとは変わるわ。
変わるのが当たり前なのよ。
…その時に、私は貴方に後悔して欲しくないの…」
由貴子が驚きのあまりその美しい瞳を見開く。
宮緒は真摯に、一言一言由貴子の心に届くように語りかける。
「僕と結婚して欲しい。
僕は君の亡くなったご主人のように名声があるわけでも資産があるわけでもない。
けれど、君を愛する気持ちは誰にも負けない。
君のお嬢さんも大切にしたい。
君の仕事も立場も尊重したい。
…だから…」
「…だめよ…」
由貴子は宮緒の手を離し、貌を背けた。
「なぜ⁈」
小さな…寂しげな声が夕凪の風に乗り、聞こえてきた。
「…私、貴方より八つも年上なのよ」
「それが何?そんなこと、何とも思わないよ」
「…私…貴方の子どもを産むことはできないのよ…」
…もう…四十四歳だもの…。
由貴子の貌が哀しげな色を帯びた。
「子どもなんて欲しくないよ。
君がいてくれたらそれでいい」
「…今はそう思っても、何年かしたらやっぱり自分の子どもが欲しいと思うかもしれないわ」
「そんなことはない!子どもはいらない!」
由貴子が振り返り、宮緒を見上げた。
瞬きもせずに、真っ直ぐな瞳が宮緒を射る。
そうして、きっぱりとした言葉で言い放つ。
「先のことは分からないわ。
ひとは変わるわ。
変わるのが当たり前なのよ。
…その時に、私は貴方に後悔して欲しくないの…」