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星逢いの灯台守
第4章 上海ローズ
「どうした?俺を部屋に連れ込んで、どうしようっていうんだ?」
ゲストルームに押し込められた片岡は、少しも慌てずに面白そうに尋ねた。
「…兄さん、話せば長くなる話を纏めて一気に話します」
「うん?」
「…あの。僕は今、ある女性とお付き合いしていて、ここで一緒に暮らしているんですけれど…」
「やるじゃないか、真紘!
お前、一皮剥けたな」
目を輝かせながら、宮緒の肩に手を置く。
「澄佳の一件から吹っ切れたか。良かったな」
「…いえ、あの…。その澄佳さんなんですけれど…」
片岡がぎょっとしたように眼を見張る。
「え?お前まさか、澄佳を旦那から略奪…」
「違いますよ!」
慌てて声を張り上げる。
「澄佳さんの旦那さんのお母さんと一緒に暮らしているんです」
一瞬ぽかんとし、まさに鳩が豆鉄砲を食らったかのような表情を片岡はした。
「…お、お前…そこまで熟女好きだったのか…?」
「あ、違います!旦那さんのお母さんと言っても彼女は継母で…だから僕より八つ歳上くらいなんですけど…」
片岡が胸を撫で下ろした。
「あ〜、良かった。すげえビビった。
…お前、説明が下手すぎるだろう。
大事なことは先に言え」
ほっとしながらも苦言を呈した。
「…すみません…」
しょげている暇はない。
気を取り直して、説明を続ける。
「そ、それでですね。そのことを彼女は何も知らないんです」
「え?」
「…つまり、僕と澄佳さんとの関係も…もちろん兄さんとのことも何もかもです」
「…全部?
澄佳が俺の愛人だったことも?
お前が澄佳を好きだったことも?」
「はい。全部です。
…彼女に打ち明けるタイミングを失って…まだ何も話せていないんです」
片岡は大きくため息を吐いた。
「…何でまたそんなめんどくさい相手と付き合うんだよ、お前は…。
そんな相手…知り合える確率的も、そうそうないだろうが」
宮緒はきっぱりと言い切った。
「運命です」
片岡が驚いたように精悍な眼差しを瞬いた。
「…お前…」
…その時、密やかなノックの音が響いてきた。
「…あの…宮緒さん?お客様なのですか?」
ドア越しの由貴子の声が控えめに尋ねた。
ゲストルームに押し込められた片岡は、少しも慌てずに面白そうに尋ねた。
「…兄さん、話せば長くなる話を纏めて一気に話します」
「うん?」
「…あの。僕は今、ある女性とお付き合いしていて、ここで一緒に暮らしているんですけれど…」
「やるじゃないか、真紘!
お前、一皮剥けたな」
目を輝かせながら、宮緒の肩に手を置く。
「澄佳の一件から吹っ切れたか。良かったな」
「…いえ、あの…。その澄佳さんなんですけれど…」
片岡がぎょっとしたように眼を見張る。
「え?お前まさか、澄佳を旦那から略奪…」
「違いますよ!」
慌てて声を張り上げる。
「澄佳さんの旦那さんのお母さんと一緒に暮らしているんです」
一瞬ぽかんとし、まさに鳩が豆鉄砲を食らったかのような表情を片岡はした。
「…お、お前…そこまで熟女好きだったのか…?」
「あ、違います!旦那さんのお母さんと言っても彼女は継母で…だから僕より八つ歳上くらいなんですけど…」
片岡が胸を撫で下ろした。
「あ〜、良かった。すげえビビった。
…お前、説明が下手すぎるだろう。
大事なことは先に言え」
ほっとしながらも苦言を呈した。
「…すみません…」
しょげている暇はない。
気を取り直して、説明を続ける。
「そ、それでですね。そのことを彼女は何も知らないんです」
「え?」
「…つまり、僕と澄佳さんとの関係も…もちろん兄さんとのことも何もかもです」
「…全部?
澄佳が俺の愛人だったことも?
お前が澄佳を好きだったことも?」
「はい。全部です。
…彼女に打ち明けるタイミングを失って…まだ何も話せていないんです」
片岡は大きくため息を吐いた。
「…何でまたそんなめんどくさい相手と付き合うんだよ、お前は…。
そんな相手…知り合える確率的も、そうそうないだろうが」
宮緒はきっぱりと言い切った。
「運命です」
片岡が驚いたように精悍な眼差しを瞬いた。
「…お前…」
…その時、密やかなノックの音が響いてきた。
「…あの…宮緒さん?お客様なのですか?」
ドア越しの由貴子の声が控えめに尋ねた。