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星逢いの灯台守
第4章 上海ローズ
「え?」
思わず尋ね返す。
片岡は自分の思いつきに上機嫌になったかのように愉しげに続けた。
「さっき見せてもらったゲストルームで充分だ。
ちらっと見たが、バスルームもついていて充分広いじゃないか。
あの部屋でいい。2、3日世話になる。
一緒にホテルに出勤すればいいし、合理的じゃないか」
「…し、しかし…」
躊躇する宮緒の耳にそっと囁かれる。
「…バラされてもいいのか?」
宮緒はぎょっとする。
「ちょっ…!…兄さん!」
「真紘は冷たいなあ…。
恋人ができると、兄なんかどうでもいいのかなあ…」
わざと哀れめいた声で嘆く片岡を見て、由貴子が遠慮勝ちに口を開いた。
「…宮緒さん、良いではありませんか。
お兄様さえ良かったら、泊まっていただきましょう」
「…でも…」
由貴子の美しい瞳が宥めるように微笑んでいた。
「私、貴方のお兄様とお近づきになれるのは嬉しいわ。
貴方のお話を色々お聞きしたいし…」
「いや、それは…!」
それを一番危惧しているのに…!とため息を吐きたくなる。
…が、しかし何も知らない由貴子の手前、これ以上押し問答するわけにはいかない。
明らかに不自然だ。

宮緒はやや硬い表情のまま、片岡に向き直った。
「…分かりました。どうぞご滞在ください…」
「ありがとう、真紘!嬉しいよ」
そうしてわざと大袈裟にハグしてきて、兄は可笑しそうに小さく囁いたのだった。

「…心配するな、お前の秘密は守ってやる」
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