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星逢いの灯台守
第1章 名も知らぬ薔薇
挙式、披露宴…そして南仏への新婚旅行ののち、兄は慌ただしく北海道に戻って行った。
妻となった麻季子はトマムには付いては行かず、成城の実家に留まったようだ。
「…単身赴任か…」
新婚なのに、兄さんが気の毒だな…。
結婚写真で見た麻季子の美人だが険のある近寄りがたいような貌を思い出した。
家庭教師のアルバイトが終わり、帰宅途中に携帯電話の着信音が鳴った。
画面には知らぬ番号が並んでいた。
…誰だろう…。
訝しみながら着信ボタンを押す。
「…もしもし…?」
電話の向こうで、やや尖った…けれど品の良い声が響いてきた。
「真紘さん?麻季子です。直人さんの妻です」
宮緒は息を呑み、携帯電話を握り締めた。
妻となった麻季子はトマムには付いては行かず、成城の実家に留まったようだ。
「…単身赴任か…」
新婚なのに、兄さんが気の毒だな…。
結婚写真で見た麻季子の美人だが険のある近寄りがたいような貌を思い出した。
家庭教師のアルバイトが終わり、帰宅途中に携帯電話の着信音が鳴った。
画面には知らぬ番号が並んでいた。
…誰だろう…。
訝しみながら着信ボタンを押す。
「…もしもし…?」
電話の向こうで、やや尖った…けれど品の良い声が響いてきた。
「真紘さん?麻季子です。直人さんの妻です」
宮緒は息を呑み、携帯電話を握り締めた。