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星逢いの灯台守
第4章 上海ローズ
…長く甘い口づけののち、由貴子が口を開いた。
「…お願いがあるの…」
「何?」
「…籍を入れるのは、瑠璃子が成人するまで待ってほしいの」
「…瑠璃子ちゃん?」
「…ええ。どちらの姓を名乗るか…瑠璃子に自分自身で選ばせたいの。
あの子の人生はあの子のものだから…。
だから…これから六年もお待たせすることになるわ…」
苦しげに呟く由貴子に、宮緒は静かに頷いた。
「構わないよ。僕はいつまででも待つ。
僕は君と一緒にいられたら、形式なんかどうだっていいんだ」
「…ありがとう…」
由貴子が宮緒の首筋に腕を回し、抱きつく。

「…でも、六年後の私は五十歳よ…」
心配そうな由貴子の微かな声…。
「そうだね」
「…皺やしみができて…すっかり老けてしまっても今のように愛してくださるの?」
宮緒は声を立てて明るく笑った。
「由貴子の皺やしみはきっと綺麗だよ」
「揶揄ってるの?」
拗ねた眼差しで見上げる由貴子に首を振る。
柔らかく抱きしめて、大切な愛の告白をする。
「僕はどんな君でも愛しているんだ。
君が白髪になっておばあさんになっても、きっと君が世界一美しいひとだと思うだろう…。
君を愛しているから…」
「…真紘さん…」
由貴子の美しい瞳が涙で溢れる。
「…だから、一緒に年を取ってゆこう…二人で…」
由貴子が小さく頷いた。
喜びで震える美しい唇が答える。
「…愛しているわ…」
「…由貴子…。
僕と巡り会ってくれて、ありがとう…」
真摯な男の言葉に、由貴子の真珠色の頰に涙が流れる。
「…泣かないで…」
宮緒は微笑みながら、その可憐な唇を奪った。
「…愛しているよ…」
色褪せることのない愛の言葉は二人の口づけで甘く溶け合い、やがてそれは濃密な濡れた吐息と変わった。

…夜半の月は二人に、煌めく蜂蜜色の光を静かに降り注ぐのだ。


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