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星逢いの灯台守
第4章 上海ローズ
「…なぜ、今まで話してくださらなかったの?」
宮緒の告白を聞いた由貴子は青ざめた花のように打ちひしがれ…怒りさえ含んだ眼差しで宮緒を見上げた。
「何度も話そうと思ったよ。
でも、澄佳さんの立場に関わる話だし…」

「…澄佳さん…」
高貴で典雅な京雛のような美貌が凍りついたかのように固まる。
「貴方は澄佳さんを愛していたのね…。
…もしかして、私に近づいたのは澄佳さんが柊司さんのお嫁様だと知って?
…澄佳さんのことをまだ好きだから…だから打ち明けられなかったの?」
「馬鹿な!そんなわけ、ないだろう!」
思わず声を荒げた宮緒に、由貴子がびくりと華奢な身体を震わせる。
「ごめん。大きな声を出してしまって…」
そうして、由貴子の手を引き寄せる。
猜疑心に冷たくなった手を必死で包み込む。
…由貴子の心に届くように、真摯に語りかける。
「由貴子。
聞いてくれ。澄佳さんとのことは、過去の話だ。
かつて彼女に惹かれたことは認める。
けれど、今は違う。
彼女に未練などない。
君と澄佳さんの関係に気づいたのは、偶然なんだ。
僕が愛しているのは、君だけだ」

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