この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
星逢いの灯台守
第4章 上海ローズ
「…なぜ、今まで話してくださらなかったの?」
宮緒の告白を聞いた由貴子は青ざめた花のように打ちひしがれ…怒りさえ含んだ眼差しで宮緒を見上げた。
「何度も話そうと思ったよ。
でも、澄佳さんの立場に関わる話だし…」
「…澄佳さん…」
高貴で典雅な京雛のような美貌が凍りついたかのように固まる。
「貴方は澄佳さんを愛していたのね…。
…もしかして、私に近づいたのは澄佳さんが柊司さんのお嫁様だと知って?
…澄佳さんのことをまだ好きだから…だから打ち明けられなかったの?」
「馬鹿な!そんなわけ、ないだろう!」
思わず声を荒げた宮緒に、由貴子がびくりと華奢な身体を震わせる。
「ごめん。大きな声を出してしまって…」
そうして、由貴子の手を引き寄せる。
猜疑心に冷たくなった手を必死で包み込む。
…由貴子の心に届くように、真摯に語りかける。
「由貴子。
聞いてくれ。澄佳さんとのことは、過去の話だ。
かつて彼女に惹かれたことは認める。
けれど、今は違う。
彼女に未練などない。
君と澄佳さんの関係に気づいたのは、偶然なんだ。
僕が愛しているのは、君だけだ」
宮緒の告白を聞いた由貴子は青ざめた花のように打ちひしがれ…怒りさえ含んだ眼差しで宮緒を見上げた。
「何度も話そうと思ったよ。
でも、澄佳さんの立場に関わる話だし…」
「…澄佳さん…」
高貴で典雅な京雛のような美貌が凍りついたかのように固まる。
「貴方は澄佳さんを愛していたのね…。
…もしかして、私に近づいたのは澄佳さんが柊司さんのお嫁様だと知って?
…澄佳さんのことをまだ好きだから…だから打ち明けられなかったの?」
「馬鹿な!そんなわけ、ないだろう!」
思わず声を荒げた宮緒に、由貴子がびくりと華奢な身体を震わせる。
「ごめん。大きな声を出してしまって…」
そうして、由貴子の手を引き寄せる。
猜疑心に冷たくなった手を必死で包み込む。
…由貴子の心に届くように、真摯に語りかける。
「由貴子。
聞いてくれ。澄佳さんとのことは、過去の話だ。
かつて彼女に惹かれたことは認める。
けれど、今は違う。
彼女に未練などない。
君と澄佳さんの関係に気づいたのは、偶然なんだ。
僕が愛しているのは、君だけだ」