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星逢いの灯台守
第4章 上海ローズ
「…それで奥様は今日からこちらに?」
ミズ・李が驚きを隠しきれないように眼を見開いた。
茹で卵を剥いたのようにつるりとした肌に浮かぶ感情は乏しかったが、彼女が驚いているのは確かなようだった。
「うん。…他のアパルトマンに移ると言って聞かないからね。
上海で外国人女性の一人暮らしはまだまだ危険だ。
それならうちのホテルに泊まった方がずっといいだろう。
…ミズ・李、済まないが彼女のことをよろしく頼む」
宮緒は頭を下げた。
あの諍いのあと、由貴子は宮緒のアパルトマンを出ると言って聞かなかった。
一人で色々なことを考え直したいと言う由貴子を宮緒は止めることはできなかったのだ。
「それならうちのホテルに滞在してくれ。
僕と話したくないなら話さなくてもいいから。
君が僕の目の届くところにいてくれないと、心配で仕方ないんだ」
そう懇願する宮緒に、由貴子は暫く考えていたがやがて小さく頷いた。
ミズ・李が驚きを隠しきれないように眼を見開いた。
茹で卵を剥いたのようにつるりとした肌に浮かぶ感情は乏しかったが、彼女が驚いているのは確かなようだった。
「うん。…他のアパルトマンに移ると言って聞かないからね。
上海で外国人女性の一人暮らしはまだまだ危険だ。
それならうちのホテルに泊まった方がずっといいだろう。
…ミズ・李、済まないが彼女のことをよろしく頼む」
宮緒は頭を下げた。
あの諍いのあと、由貴子は宮緒のアパルトマンを出ると言って聞かなかった。
一人で色々なことを考え直したいと言う由貴子を宮緒は止めることはできなかったのだ。
「それならうちのホテルに滞在してくれ。
僕と話したくないなら話さなくてもいいから。
君が僕の目の届くところにいてくれないと、心配で仕方ないんだ」
そう懇願する宮緒に、由貴子は暫く考えていたがやがて小さく頷いた。