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星逢いの灯台守
第4章 上海ローズ
最上階のスイートルームはミズ・李の采配でリザーブされていた。
…彼女にひとつ借りが出来てしまったな…。
宮緒は苦笑しながら、由貴子を抱き上げた。
「…あっ…!」
驚いた由貴子が宮緒の腕の中でその華奢な身体を縮める。
「裸足で会議室に駆け込んで来るなんて…。
こんなお転婆な奥様にはベッドの中でお仕置きをしなくてはね…」
その白い耳朶に意地悪く囁く。
「…真紘さ…ん…」
由貴子の白くほっそりとした頸が見る見る内に桜色に染まる。
「…嘘だよ。
嬉しかった…。
君があんなにも率直に僕に向かってきてくれて…」
「…真紘さん…」
由貴子が感極まったかのように宮緒にしがみついた。
由貴子を横抱きに抱いたまま、大股で寝室に進む。
ガレの小さな燭台だけが灯されている寝室にはオリエンタルで魅惑的な香が焚かれていた。
広々とした豪奢な装飾の寝台には琥珀色の紗が幾重にも掛かり、まるでお伽話の後宮のそれのようだ。
宮緒はやや乱暴に紗幕を跳ね上げ、由貴子を寝台のシーツの上に横たわらせた。
…彼女にひとつ借りが出来てしまったな…。
宮緒は苦笑しながら、由貴子を抱き上げた。
「…あっ…!」
驚いた由貴子が宮緒の腕の中でその華奢な身体を縮める。
「裸足で会議室に駆け込んで来るなんて…。
こんなお転婆な奥様にはベッドの中でお仕置きをしなくてはね…」
その白い耳朶に意地悪く囁く。
「…真紘さ…ん…」
由貴子の白くほっそりとした頸が見る見る内に桜色に染まる。
「…嘘だよ。
嬉しかった…。
君があんなにも率直に僕に向かってきてくれて…」
「…真紘さん…」
由貴子が感極まったかのように宮緒にしがみついた。
由貴子を横抱きに抱いたまま、大股で寝室に進む。
ガレの小さな燭台だけが灯されている寝室にはオリエンタルで魅惑的な香が焚かれていた。
広々とした豪奢な装飾の寝台には琥珀色の紗が幾重にも掛かり、まるでお伽話の後宮のそれのようだ。
宮緒はやや乱暴に紗幕を跳ね上げ、由貴子を寝台のシーツの上に横たわらせた。