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星逢いの灯台守
第5章 星逢いの灯台守
「…こんなに綺麗な景色を毎日見ているから、澄佳さんはお心がとてもお綺麗なのね。きっと…」
由貴子の切れ長の美しい瞳が、夕景の海を見ながら細められる。
「…母様…」
…この美しくも臈丈けた貌を、少年の頃からずっと決して触れてはならない聖なるものへの憧れの気持ちで見つめてきた。
「瑠璃子は?」
先ほど学校から帰宅し、初めて宮緒と対面を果たしたのだ。
「すっかり宮緒さんになついてるわ。
…宮緒さんイケメンすぎ!
ほんとに年増のママでいいの?浮気しない?大丈夫?…て。
…今時の子は遠慮がないのね」
苦笑するその表情には安堵の色が滲んでいた。
「…そうか。良かった…」
柊司も人知れずほっとする。
「…さっきはごめんね、母様」
…自然に謝罪の言葉が口をついた。
そして…
「…嫉妬したんだ。宮緒さんに。
母様を彼に攫われてしまったような気がして…。
母様がもう僕の手の届かない遠くへ行ってしまったような気がして…。
…こんなこと、口にすべきではないけれど…」
…いい歳をして…恥ずかしいな…。
柊司は苦く笑う。
…由貴子を前にすると、遥か昔…幼かった少年時代にいとも簡単に戻ってしまう。
母とも姉とも…そして美しい初恋のひとのような慕わしく…甘く切ない気持ちに囚われていたあの頃に…。
由貴子の切れ長の美しい瞳が、夕景の海を見ながら細められる。
「…母様…」
…この美しくも臈丈けた貌を、少年の頃からずっと決して触れてはならない聖なるものへの憧れの気持ちで見つめてきた。
「瑠璃子は?」
先ほど学校から帰宅し、初めて宮緒と対面を果たしたのだ。
「すっかり宮緒さんになついてるわ。
…宮緒さんイケメンすぎ!
ほんとに年増のママでいいの?浮気しない?大丈夫?…て。
…今時の子は遠慮がないのね」
苦笑するその表情には安堵の色が滲んでいた。
「…そうか。良かった…」
柊司も人知れずほっとする。
「…さっきはごめんね、母様」
…自然に謝罪の言葉が口をついた。
そして…
「…嫉妬したんだ。宮緒さんに。
母様を彼に攫われてしまったような気がして…。
母様がもう僕の手の届かない遠くへ行ってしまったような気がして…。
…こんなこと、口にすべきではないけれど…」
…いい歳をして…恥ずかしいな…。
柊司は苦く笑う。
…由貴子を前にすると、遥か昔…幼かった少年時代にいとも簡単に戻ってしまう。
母とも姉とも…そして美しい初恋のひとのような慕わしく…甘く切ない気持ちに囚われていたあの頃に…。