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星逢いの灯台守
第2章 忘れ得ぬひと
「弟のお前に、俺の事業を手伝って欲しい」
ひんやりとした眼差しが、強い力を持って宮緒を見つめた。

「…兄さん…」
…ずっと憧れてきた。
このひとみたいになりたかった。
この強く大きなひとに自分を認められる嬉しさ…。
俺の弟と…改めて認めてくれた幸せ…。

…このひとが、僕を必要としてくれる…。
ほかの誰でもない、この強くて大きくて近寄りがたいような自信と威厳を兼ね備えた王者のような兄が…。

まだしたことのない恋のような高揚感が、宮緒を押し包む。

宮緒はおずおずと兄の大きな手を握り返す。
「…僕で…お役に立つのなら…」
…このひとの役に立ちたい。
…このひとみたいな大きくて、洗練された大人の男になりたい。
この手に導かれたのなら、なれそうな気がする。
まだ見ぬ景色もこのひとと一緒なら、見られるような気がする。
…兄とともに、どこまでも高く高く飛翔する自分を夢見る。

片岡は初めて嬉しそうに笑った。
「…ありがとう、真紘」



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