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星逢いの灯台守
第2章 忘れ得ぬひと
…そんな風に兄に言わしめる娘に微かな妬心さえ覚える。
宮緒は冗談めかして釘を刺す。
「…ほどほどにしておいてくださいよ。
ただでも兄さんの恋人の交通整理は大変なんですから…」
片岡は薄く笑った。
「分かっているさ。
俺は女には本気にならない」
…事実そうだった。
兄の周りにいる華やかな女たちを、彼は大切に扱ってはいたが、誰にも本気にはならなかった。
時期が来れば、まるでロンドの相手を自然にチェンジするように離れてゆき…また次の踊り手を見つけるのだ。
…だから、今回もそうだと思っていた。
物珍しさから、興味を持った娘…。
いずれすぐにほかの女に目移りするだろう…と。
だが、違った。
それは突然の出来事であった…。
兄はその小さな海の食堂の娘…小川澄佳を、まるで人攫いのように攫い、自分のマンションに連れ帰ってしまったのだ。
宮緒は冗談めかして釘を刺す。
「…ほどほどにしておいてくださいよ。
ただでも兄さんの恋人の交通整理は大変なんですから…」
片岡は薄く笑った。
「分かっているさ。
俺は女には本気にならない」
…事実そうだった。
兄の周りにいる華やかな女たちを、彼は大切に扱ってはいたが、誰にも本気にはならなかった。
時期が来れば、まるでロンドの相手を自然にチェンジするように離れてゆき…また次の踊り手を見つけるのだ。
…だから、今回もそうだと思っていた。
物珍しさから、興味を持った娘…。
いずれすぐにほかの女に目移りするだろう…と。
だが、違った。
それは突然の出来事であった…。
兄はその小さな海の食堂の娘…小川澄佳を、まるで人攫いのように攫い、自分のマンションに連れ帰ってしまったのだ。