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星逢いの灯台守
第2章 忘れ得ぬひと
翌朝、休日だというのに早く目覚めた宮緒はシャワーを浴びるとコーヒーを淹れた。
世間はクリスマスだが、関係ない。

正式にクリスマスを祝っていたのはカトリックの寄宿学校に通っていた時までだ。
クリスマスだけは普段厳しい教師や舎監も眼を瞑り、生徒たちはゲームに興じ、クリスマスの唄を唄いはしゃぎ回った。
…ローストターキーを始めとする英国式の豪華なディナーにクリスマスプディングはまだ子どもの生徒たちを喜ばせたものだ。

熱いコーヒーを飲みながらぼんやりと澄佳のことを考える。
…どうしているかな…。
兄さんとは話したのだろうか…。
澄佳さんは納得したかな…。
…納得…したかもしれないな。
澄佳さんは兄さんに夢中だ…。

嘘を吐かれても尚、片岡を愛していると苦しげに言い、涙を流していた澄佳…。
宮緒はなすすべもなかった。

…分かっていた…。
彼女がとても兄を愛していることを…。
…身も心も兄に囚われていることを…。

…身も…。
澄佳のまだ見ぬ美しくも儚げな白い裸体を、思う様奪う兄の逞しい身体の妄想が浮かぶ。
不意にコーヒーが苦く感じ、宮緒は眉を顰めた。
…何を考えているんだ…。
ため息を吐き、キッチンの流しにコーヒーカップを片付ける。

…その時、カウンターに置いたスマートフォンが着信音を響かせた。
手に取り眼を見張る。

…澄佳さんだ…。
宮緒は素早く着信ボタンを押した。


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