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星逢いの灯台守
第2章 忘れ得ぬひと
澄佳は青白い貌をして指定したカフェにいた。
…白いセーターに濃紺に細かい水玉模様のフレアスカート、キャメルカラーのカシミアのロングコート。
化粧っ気のないその素顔は冴え冴えと澄みきっていて、息を飲むほどに美しかった。
清楚なその姿はとても愛人には見えない。
美しく真面目な女子大生のようだ。

澄佳は宮緒を認めるとほっとしたように息を吐いた。
「…宮緒さん…」

「どうしました?澄佳さん。
何があったんですか?」


…『助けて…。
貴方じゃないとお願いできないことなの…』
そう言って澄佳は、電話口で泣き崩れたのだ。

「…私…私…どうしたらいいか…」
宮緒の貌を見るなり、澄佳は静かに泣き出した。

…心臓が強く掴まれたような鋭い痛みを感じながら、宮緒は澄佳の手を握りしめていた。
「…出ましょう…。
お話は僕の車の中で聞きます」

澄佳の大きな美しい瞳から、水晶のような涙が溢れ落ちた。

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